過失割合10対0の交通事故。被害者が対応を誤ると悲惨なことに!

過失割合
過失割合10対0の交通事故。被害者が対応を誤ると悲惨なことに!

交通事故では示談交渉で損害賠償金額を決めます。損害賠償金額を決めるには「過失割合」が非常に重要になります。被害者の過失が0なら、理論上被害者が損害賠償金額を満額受け取れることになり、一見すると被害者に有利に思えます。しかし、対処法を間違えると被害者に不利に示談交渉が進んでしまい、適正な損害賠償金額を受け取れなくなる可能性があります。本記事では、どういうときに被害者側の過失割合が0になるのか、また被害者側の過失割合が0の際に適正な損害賠償金を受け取るためにはどうすればいいのかについて詳しく説明します。

目次
  1. 過失割合とは
    1. 過失相殺とは
  2. 過失割合が100:0のときの注意点
    1. 過失割合0の例
    2. 過失割合が0だと保険会社が示談交渉を代行できない
    3. 過失割合が0のときは弁護士に依頼する
    4. 弁護士費用特約とは
  3. まとめ

過失割合とは

過失割合は、交通事故の加害者側と被害者側のどちらに事故の責任(過失・不注意)があったかということを割合にして示すものです。

過失が当事者双方にある事故の場合、当事者双方が契約している保険会社同士で示談交渉をおこなって過失割合を決めます。示談交渉や裁判など、損害賠償金額を決める際にはこの過失割合が非常に重要になります。

では過失割合は何を基準にして決めるのでしょうか。

交通事故の損害賠償請求では、実際の事故と類似した過去の裁判例を基準とします。そこから実際の事故状況を鑑みて、修正を加えながら過失割合を決めていくのです。

示談交渉で当事者の過失割合の主張が異なる場合は、それぞれの主張する過失割合の根拠を提示しながら交渉を進めていきます。

なお、過失割合については以下の記事に詳しく解説してありますので参考にしてください。

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過失相殺とは

なぜ示談交渉で過失割合を決める必要があるのでしょうか。

それは過失相殺をおこなうためです。

交通事故の被害者にも過失があれば、被害者の過失の分だけ加害者が支払う損害賠償金は減額します。

たとえば、損害金額が1,000万円であった場合、過失割合が80:20であれば、1,000万円×(1ー0.2)=800万円となり、最終的に被害者に支払われる損害賠償金額は800万円になります。(図1)
過失割合8対2の場合の過失相殺

図1.過失割合8:2の場合の過失相殺

このように加害者に請求できる損害賠償金額から被害者の過失割合の分を減らす計算のことを過失相殺といいます

過失割合が100:0のとき

過失割合0の例

被害者の過失割合が0となる事故にはどのようなものがあるのでしょうか。

たとえば交通事故のなかで発生率の高い追突事故は被害者の過失が0となる場合がほとんどです。

ほかにも下記のような場合に被害者の過失割合が0になることがあります。

  • センターラインを大きくオーバーしてきた対向車と衝突した
  • 信号待ちで停車中、後ろから追突された
  • 駐車場で駐車している車にぶつけられた
  • 自分が青信号の交差点を進行していると、相手が赤信号を無視して交差点に直進し てきたため衝突した

このほかの例については、以下の記事を参考にしてください。

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過失割合が0だと保険会社が示談交渉を代行できない

追突事故や飲酒事故のように被害者にまったく過失がない事故の場合、過失割合は100:0となり加害者が損害賠償金額を全額支払うことになります。

このように聞くと、一見被害者にとって有利に思えます。

しかし被害者に過失がない事故の場合、過失割合が0にも関わらず被害者に不利な条件で示談を持ちかけられることがあるのです。

なぜこのようなことが起こるのでしょうか。

被害者の過失割合が0の事故の場合、法律上被害者側の保険会社が示談交渉を代行できなくなるのです。

弁護士法第72条では「弁護士以外の者」が「報酬を得る目的」で「他人の法律事務をおこなう」ことを禁止しています。

つまり弁護士法は保険会社による被害者の示談交渉代行を禁止しているのです。

しかし被害者にも過失がある場合、被害者側の保険会社は契約者(被害者)が支払うべき損害賠償金を保険金として支払う義務があります。

そのため被害者に過失がある場合に限り、保険会社も示談交渉代行が可能なのです。

しかし被害者の過失割合が0の事故の場合、被害者に損害賠償金の支払いが発生しません。したがって被害者側の保険会社が示談交渉を代行できないのです。

過失割合が0のときは弁護士に依頼する

被害者の過失割合が0の事故の場合、どのように示談交渉をおこなえばいいのでしょうか。

この場合、被害者は自分で加害者側の保険会社と示談交渉をおこなうことになります。しかし被害者が直接交渉をおこなうのは大きな負担になります。

また加害者側の保険会社は任意保険基準で慰謝料を計算します。任意保険基準の慰謝料は適正な慰謝料金額よりもかなり低い金額といわれています。

被害者は専門知識が乏しいため、保険会社から慰謝料金額や損害賠償金額を提示されても妥当な金額かどうかを判断できず、適切な損害賠償金額が支払われない可能性もあります。

このような場合、弁護士に示談交渉を依頼することをお勧めします。

弁護士に示談交渉を依頼すれば、弁護士は弁護士(裁判所)基準で慰謝料を請求するため損害賠償金が増額する可能性が高くなります。

また弁護士に示談交渉を依頼することで示談交渉の煩わしさから解放され、被害者の負担を軽減することができます。

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弁護士費用特約とは

被害者の過失が0の交通事故では、弁護士に示談交渉を依頼することが有効であると説明しました。

しかし、弁護士に依頼すると相談料や着手金などの諸費用を被害者が負担する必要があります。

このような場合に備え、あらかじめ加入している任意保険に「弁護士費用特約」を付帯しておくと便利です。

弁護士費用特約は上限金額まで自己負担なし(0円)で示談交渉を弁護士に依頼できるサービスです。ほとんどの保険会社は上限金額を300万円としています。

重度後遺障害が残る事故や死亡事故のように、損害賠償金額が2,000万円を超えるような事故の場合は300万円以上の弁護士費用が発生します。

しかしほとんどの交通事故の弁護士費用は100万円以内に収まることが多いです。

また弁護士費用特約を付帯していれば、仮に弁護士費用が上限を超えた場合であっても自己負担分は300万円を超える金額のみです。付帯しておいて損はありません。

一般的に交通事故で対人や対物、車両保険などを適用して保険金を受け取ると、被害者は事故の当事者として保険会社からの評価(等級)が下がり、翌年以降に支払う保険料が上がる仕組みになっています。

では弁護士費用特約を利用すると被害者の翌年の保険料に影響はないのでしょうか。

弁護士費用特約だけを使った場合、事故としてカウントされないため翌年の保険料が上がることはありません。

弁護士費用特約のデメリット

被害者にとってメリットが大きい弁護士費用特約ですが、デメリットはないのでしょうか。

弁護士費用特約は任意保険の特約のひとつです。弁護士費用特約を付帯すれば年間1,600円(月々100円)ほど保険料が上がります。

しかし、たった月々100円の負担で交通事故にあったときに大きなメリットがあるのですから、付けておいて損はないでしょう。

ただし保険会社によって保険約款の内容が異なる場合がありますので、弁護士費用特約を使う場合はご加入の保険会社によく確認してください。

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まとめ

被害者の過失割合が0の交通事故の場合、被害者側の保険会社が示談交渉を代行することができません。このとき示談交渉を弁護士に依頼することが非常に有効になります。

このような場合に備えて、あらかじめ加入している任意保険に弁護士費用特約を付帯しておくとたいへん便利です。

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