交通事故の加害者に!被害者に誠意を伝える謝罪やポイントをご紹介。

予期せぬ交通事故を起こしてしまったときというのは、誰もが慌ててしまうものです。また、起こした事故が100%自身の過失であった場合にはなおさらそう感じるものでしょう。このような自身に過失がある場合の交通事故では、被害者への接し方なども含めて、どのような対応が必要となるのでしょうか?今回は交通事故を起こしてしまったときのために覚えておきたい、誠意ある対応について徹底解説します。
- 目次
交通事故を起こしたときに求められる対応とは?
交通事故を起こしたとき、こちら側に過失がある場合は冷静に対処することができずに「逃げたい」という気持ちが勝ってしまいます。
しかし、これは後々厳罰の対象にもなりますので、絶対にしてはいけません。
では交通事故を起こしたときにはどのような対応が必要になるのでしょうか?
ここでは明らかに自身に過失があるケースで求められる対応を解説します。
被害者の心配をし、誠心誠意の対応をする
車同士の衝突事故などの場合は一時的にパニック状態に陥る方もいますが、まずは冷静になることが大切です。
具体的には車両を路肩に移動して、周囲の邪魔にならないように配慮したり、安全性を確保することが求められます。その後被害者のもとへ伺い、声をかけるようにします。
交通事故の場合、基本的に被害者とは初対面ですから、誠心誠意の対応をする必要があります。
「大丈夫ですか?」「おケガはありませんか?」など、自身のことは後回しにして被害者のことを気遣うようにしましょう。
交通事故直後に必要な措置を速やかに行う
被害者に誠心誠意の対応をすると同時に、加害者は事故に対する必要な措置を行う必要があります。交通事故を起こしたときに必要な措置は以下のとおりです。
✔ 負傷者の救護 ・二次災害などが発生しないように道路上の危険を除去する
✔ 最寄りの警察署や交番への連絡
✔ 報告
このほか、交通事故による被害者がいた場合には119番をして救急車を要請することも大切です。
また加入している自動車保険の保険会社や代理店への通知も忘れないようにしておきましょう。保険内容によっては事故の初期対応を行ってくれることもあります。
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交通事故を起こした後の謝罪のタイミングについて
交通事故で加害者になってしまった場合には、被害者に謝罪を行う必要があります。
なかには保険会社に任せておけば大丈夫と思い込んでいる方もいますが、これでは被害者に悪い印象を与えてしまうだけです。
交通事故で明らかにこちら側に非がある場合は誠意を持って謝罪をすることが大事です。ここでは交通事故を起こした後の謝罪のタイミングをご紹介します。
早いタイミングでの謝罪が好ましい
交通事故を起こしてしまったときの謝罪は早ければ早いほど好ましいです。謝罪があまりに遅くなると被害者も「相手はあれから謝罪の一言もない」という感情を抱いてしまいます。
謝罪は電話もしくは直接訪問どちらでも構いませんが、早めの対応が求められるという点だけは忘れないようにしておきましょう。
理想としては交通事故が起きた、その日のうちに謝罪をすることです(夜間などは除く)。
また仮に謝罪が遅れる場合は、あらかじめ手紙や電話でその旨を伝えておくようにしましょう。
その他、被害者がケガを負ってしまい、入院を余儀なくされるケースでは定期的にお見舞いに訪れるのもよいでしょう。この場合は被害者だけではなく、その家族にも良いイメージを与えることができます。
被害者が話を聞ける時間帯も把握しておく
前述のように謝罪のタイミングは早ければ早いほど好ましいです。だからといって早朝や夜間に電話、訪問をするのは、相手にも迷惑がかかり逆効果となる可能性もあります。
したがって謝罪のタイミングは早さとともに、被害者の余裕がある時間帯を意識することも大切です。
また事故当日の謝罪は被害者によっては精神的ショックが抜け切らずに、冷静に話を受け入れられない状態のこともあります。
このようなケースでは無理にその日のうちに謝罪をせずに、翌日もう一度連絡するなどの対応が必要となるでしょう。
基本的に平日の昼間は仕事という方が多いですから、夕方から夜間(20時まで)のタイミングが理想となります。
謝罪には保険会社の担当者の同行も検討
事故直後から誠心誠意の対応を見せていれば、被害者もある程度納得してくれることは多いでしょう。
しかし、なかには「今はちょっと加害者の顔を見たくない」という感情を抱く被害者もいます。このようなケースでは1人で謝罪に訪れると、口論に発展する可能性もあります。
その結果、その後の交渉に差し支えが生じる恐れもあります。
したがって交通事故を起こしたときの謝罪は、保険会社の担当者に同行してもらうことも検討しておきましょう。
第三者となる専門家が同行することで、仮に口論になっても仲裁が可能となり、トラブルに発展するのを防ぐこともできます。
交通事故で謝罪すべきケースとしないほうがよいケースを解説
一口に交通事故の謝罪といっても「謝罪をすべきケース」と「謝罪はよく検討したほうがよいケース」があります。
この2つのケースを事前に把握しておかないと、後々謝ったがために揉めてしまう可能性も出てきます。
ここでは交通事故で謝罪すべきケースと、謝罪しないほうがよいケースを解説します。
被害者への謝罪すべきケース
信号無視や追突事故などこちら側の非が100%であった場合は、素直に謝罪をしたほうが後々良い結果に繋がることが多いです。
このようなケースでは事故直後から誠心誠意の対応を見せることで、被害者も示談に応じてくれる可能性がアップします。
謝罪すべきか検討したほうがよいケース
謝罪するのを考えたほうがよいケースは、お互いに過失があると思われる交通事故の場合です。
このようなケースで一方的に謝罪をしてしまうと、相手に「私は全然悪くない」と勘違いさせてしまうことがあります。その結果として示談交渉が上手くいかない可能性も出てきます。
また相手に悪意がある場合にはつけ込まれることも考えられます。
したがってお互いに過失があると思われる交通事故では安易に謝罪をするのは避けておくようにしましょう。
ただし「おケガはありませんか?」「痛む箇所はありますか?」などの相手への気遣いは忘れないようにすることが大切です。
このような気遣いがあることで、相手も嫌な気分を和らげることができます。
謝罪する際の内容について
交通事故で謝罪をするケースというのは、滅多に訪れるものではありません。したがって「謝罪の中身はどのようなものにすればよいのか?」と悩む方も多いです。
このような方は以下のようなポイントを意識してください。
✔ 被害者に迷惑をかけたことへの謝罪
✔ 交通事故を起こしてしまった理由について
✔ 最後にもしっかりと反省、謝罪の言葉を
この3点を意識して謝罪を行うことで、被害者にはある程度の誠意を伝えることができます。謝罪文などを書くときは以下のような文例を参考にしてもよいです。
〇〇 〇〇様(被害者の名前)
この度は、私が起こしてしまった交通事故で、〇〇様に怪我を負わせてしまったことを心よりお詫び申し上げます。
交通事故後に〇〇様に、改めてお会いし、直接お詫びを申し上げたいと思いましたが、諸般の事情からこのようなお手紙を差し上げまして、何卒お許しください。
この度の事故は私の前方不注意が原因であることは明らかで、お怪我をさせてしまった〇〇様には非常に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
油断と過信で多大な被害を与えてしまうということを、今更ながら痛感し、深く反省しております。
今後は前方確認も含めた、安全確認を怠らずに、常に気を引き締めて車の運転をする所存です。
改めて今回の事故で、〇〇様に大変なご迷惑をおかけしましたこと、深くお詫び申し上げます。
本当に申し訳ありませんでした。
平成〇〇年〇月〇日〇〇〇〇(自分の名前)
上記の例文は重要なポイントのみを抜粋しているため、コンパクトにまとまっています。
もちろんこの例文を基本にして、相手の体の状態を気遣った言葉を付け加えても問題はありません。
単に「申し訳ございませんでした」だけでは、相手の心に響かない可能性が高いです。また相手は交通事故が起きてしまった原因を最も知りたがっています。
したがって交通事故が起きてしまった原因や、今後同じようなことを起こさないための対策法が綴られていることが好ましいです。
加害者から「誠意」が伝わらないと感じたら、弁護士に相談を
ここまで交通事故を起こしたときの加害者の誠意の伝え方について触れてきました。
大抵の加害者は自身の過失が100%の場合は、誠意を持って謝罪をします。
しかし残念なことに自分に非があるにもかかわらず、不誠実な対応で被害者に精神的苦痛を与える加害者もいます。
このような加害者の場合は謝罪はもちろん、反省する心を持っていないため、また同じ過ちを繰り返す可能性が高いです。
そして被害者はこのような誠意が感じられない対応をする加害者に対しては、怒りや残念という感情を強く抱くようになります。
この場合は交通事故に強い弁護士に相談をするなどの対策を検討してみましょう。
なかには「自身の手で報復をしてやる」という方もいますが、これでは罪悪感や虚しさが残るだけです。
弁護士の力を借りることで、損害賠償金を多く得ることができるなど、本当の意味での罰則を与えることも十分に可能です。
誠意のない加害者に対しては、決して感情的にならずに冷静に専門家に相談するようにしましょう。
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まとめ
今回は交通事故を起こしたときに加害者が取るべき対応などについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
自身の過失100%で交通事故を起こしてしまったときは、とにかく誠心誠意の対応で被害者へ接することが示談成立への近道です。
被害者も同じ人間ですから、誠意が十分に伝われば、示談交渉に応じてくれる可能性は高まります。
人間は自分が不利になると自分を守ることに走りがちです。しかし、交通事故に関しては素直に自分に非があることを認め、謝罪をするという対応が最も大切です。
また被害者の方も相手の不誠実な対応に悩まされるようであれば、弁護士に相談することも検討してみましょう。
誠意が十分に伝わらない場合は専門家に相談することが、問題解決の一番の近道となります。
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