雨の日は交通事故が4倍!雨天時に潜む危険と車が水没したときの対処法。

基礎知識
雨の日は交通事故が4倍!雨天時に潜む危険と車が水没したときの対処法。

2018年に日本各地で豪雨や台風による深刻な被害が発生しました。この記事では、大雨のなかで車を運転しなければいけないときの注意点や、車を運転中に突然ゲリラ豪雨に遭遇したときの対応方法について解説します。

目次
  1. 雨のときに多い事故とは?
    1. スリップ
    2. ハイドロプレーニング現象
    3. 視界不良による事故
  2. 車が水没してしまったらどうする?
    1. すり鉢状の道路には入らない
    2. 水没してしまったら
    3. 土砂崩れ・雷雨・強風
  3. 事前の対策
    1. 車両保険に入っておく
    2. 豪雨のときは運転しないのが一番
  4. 走行が困難になったときの緊急連絡先

雨のときに多い事故とは?

スリップ

雨が降ると路面が滑りやすくなり視界が悪くなることから交通事故の危険性が増加します。首都高速道路株式会社の調査によると、雨のときの交通事故の件数は晴天のときと比べて4倍にもなります。

雨のときにもっとも気を付けなければいけないのは、スリップによる事故です。

スリップが起こりやすいのは、路面が濡れているときにカーブでスピードを出しすぎたときや、急な減速や加速を行ったときです。

そこで、カーブに入るときには早めに減速を始めて十分にスピードが落ちてから曲がり、曲がり終えたら急にアクセルを踏まず、徐々に加速するようにしましょう。

轍の水たまりや濡れたマンホールでスリップが発生することもありますので、直進時も普段よりスピードを落とすようにしましょう

追い越しや車線変更は急加速が必要となり、スリップが発生しやすくなります。

追い越しや車線変更時にスリップが起こると事故に繋がる可能性が高いため、雨が降っているときにはなるべく追い越しや車線変更を行わない方が賢明です。

また、タイヤの残り溝が減っているとスリップが起こりやすくなります。運転前にタイヤの状態をチェックし、残り溝が1.6ミリ未満になっていたら交換するようにしましょう。

ハイドロプレーニング現象

車が水たまりを通過するときに発生する危険な現象として「ハイドロプレーニング現象」があります。

ハイドロプレーニング現象とは、タイヤと路面の間に水が入り込み、タイヤが水の上を滑る状態になることをいいます。

ハイドロプレーニング現象が発生するとハンドルやブレーキなど車の制御が効かなくなり、大変危険な状態となります。

ハイドロプレーニング現象が起こるとパニックになってしまいがちですが、慌てて急ハンドルや急ブレーキと車がますます制御を失う要因となります。

ハイドロプレーニング現象は一時的な現象ですので、冷静に車が制御できるようになるのを待ち、その後周囲を確認しながら軽くブレーキやハンドルを操作するのが正しい対処方法です。

ハイドロプレーニング現象を防ぐためには、雨が降っているときはスピードを落とし、なるべく水たまりを避けて走行するようにしましょう

視界不良による事故

スリップと並んで雨の日に発生しやすいのが、視界不良による事故です。

雨が降ると、雨水・ガラスの曇り・ワイパーなどによって歩行者やほかの車を視認しづらくなるだけでなく、歩行者も傘をさしたりレインコートのフードを被ることで視界が狭くなります。

そのため、雨の日には車と歩行者との衝突事故が特に多く発生します。

また、雨の日はレインコートを着用して自転車を運転する人もいます。この場合も自転車を運転する人の視野が狭くなるので、自転車との衝突事故も注意する必要があります。

このため、雨の日には運転前にフロントガラスを布でよく吹いて結露をとり、運転中に窓ガラスが曇ったときには車内エアコンの風をあてて曇りを消しましょう

また、雨が降ったらライトを積極的に点灯することが大切です。これにより、歩行者やほかの車を視認しやすくなるだけでなく歩行者やほかの車に自分の存在をアピールすることもできます。

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車が水没してしまったらどうする?

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すり鉢状の道路には入らない

大量の雨が降ると道路の排水が追い付かなくなり、道路に大量の雨水が溜まることがあります。車は水のなかに入ると浮き上がって運転操作ができなくなります。

大した雨ではないと思っていても、高架線の下のくぼ地(アンダーパス)などすり鉢状になった道路には水が溜まって水深が深くなっています。

水が溜まっていても目視では水の深さはわからないため、ただの水たまりだと思って侵入すると水没してしまいます。

大雨の日にすり鉢状の道路に水が溜まっているのを発見したときは、無理をせずに引き返しましょう。

水深が深い場所を避けて運転していても、大雨のときには河川や用水路が溢れて突然大量の水が流れてくることがあります。

河川や用水路の近くや周囲より低い土地にはなるべく近づかないようにしましょう

水没してしまったら

では、実際に車を水没させてしまったときはどうすればよいのでしょうか。車が水没して水かさが一定の高さになると、ドアが水圧で開けられなくなります

窓を開けて脱出すればよいのでは、と思われるかもしれませんが、電気制御の窓は雨水が車内に入り込むと電気系統がショートして窓が開かなくなることがあります。

そうなると、車に閉じ込められ、外から徐々に水が浸入してくるという大変危険な状態になります。

車が水没して閉じ込められてしまった場合は、窓を割って脱出口を確保する必要があります

窓を割るためのハンマーと万が一シートベルトが外せなくなったときのためのカッターが一体になった製品がありますので、車の中に常備しておくとよいでしょう。

ハンマーがない場合にはビニール袋や靴下に小銭を入れて振ることにより窓を割る方法もありますが、ハンマーの方が確実で安全です。

土砂崩れ・雷雨・強風

豪雨のときのリスクは道路の冠水だけではありません。

雨によって地盤が緩くなり土砂崩れが発生することがありますので、山などの急斜面には近づかないようにし、そのような場所を走行しているときにはできるだけ早く安全な場所に避難しましょう。

車を運転中に突然の雷雨に襲われることもあります。落雷を恐れて外に避難したいと思うかもしれませんが、雷のときは車内で様子を見るのがもっとも安全です。

もっとも、車に雷が落ちると電気系統に異常が出て走行に影響するおそれもあるため、安全な場所に車を移動し、雷が通りすぎるのを待ちましょう。

台風などによる強風時には、突然の横風でハンドルが取られたり、車高の高い車は横転することもあります。

スピードが出ているとより制動が困難になるため、強風が吹いているときには速度を抑えるようにしましょう。橋の上や海沿いは風の影響を受けやすいため、特に注意が必要です。

事前の対策

車両保険に入っておく

豪雨のなかで車を運転したり、駐車中の車が水没してしまったりすると、エンジンやブレーキが故障し、高額の修理費がかかることがあります。

そのような場合に備えて、任意保険に加入するときには対人賠償保険、対物賠償だけでなく、車両保険にも入っておきましょう

車両保険は台風・竜巻・洪水・高潮も対象となりますので、豪雨による故障にも問題なく保険を使用することができます。

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豪雨のときは運転しないのが一番

ここまで豪雨のなかで車を運転するときの注意点について解説してきましたが、豪雨による被害を避けるためにもっとも確実な対策方法は車を運転しないことです

天気予報で大雨が降ることがわかっているとや注意報・警報が出されているときにはなるべく外出を避けましょう。

どうしても外出しなければいけないときは電車など公共の交通機関を利用するようにしましょう。

走行が困難になったときの緊急連絡先

最後に、車を運転中に豪雨などにより走行が困難になったときの緊急連絡先についてご説明します。

レッカー車による移動を含むロードサービスを付けている場合には、保険会社に連絡してレッカー移動を依頼しましょう

ロードサービスを利用しても保険等級は下がりませんので、翌年からの保険料が増額することはありません。

ロードサービスを付けていない場合には、日本自動車連盟(JAF)に直接連絡をとって救護要請を行いましょう。この場合、レッカー移動の費用は自己負担となります。

ロードサービス救援コール
0570-00-8139(全国共通・年中無休・24時間)
または、短縮ダイヤル#8139

上記のナビダイヤルまたは短縮ダイヤルでもつながらない場合、下記の通常番号もご利用になれます。

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