高次脳機能障害の症状と適正な後遺障害等級の認定を受ける方法。

後遺症・後遺障害
高次脳機能障害の症状と適正な後遺障害等級の認定を受ける方法。

運悪く交通事故の被害にあったとき、ケガの治療は終わったものの、記憶が困難になったり、人が変わったような振る舞いをするようになってしまった、ということがあります。

病院で診断を受け、交通事故の後遺症による高次脳機能障害であると診断を受けた場合、確認したいのは、金銭的補償がどのように受けられるかということですよね。

脳への損傷はクオリティオブライフを大きく下げてしまうので、せめて金銭的補償は最大限に受け取り、生活の再建に注力したいものです。

この記事では、交通事故による高次脳機能障害とはどのようなものであるか、後遺障害慰謝料を受取るための後遺障害等級認定とはなにか、加害者の保険会社との示談交渉をどのように進めればよいかについて説明します。

目次
  1. 高次脳機能障害とは?
  2. 高次脳機能障害の後遺障害等級認定はどうなるの?
    1. 後遺障害等級認定とは
    2. 高次脳機能障害で後遺障害等級認定を受けるために
  3. 交通事故の後遺障害に強い弁護士に依頼することが大切
  4. まとめ

高次脳機能障害とは?

高次脳機能障害とは、交通事故の後遺症のひとつで、その名のとおり脳の高次機能に残ってしまった障害をいいます。

高次機能は脳のなかでも重要な部分で、記憶する・考える・学ぶといった認知の側面と、感情の起伏などの感情面をつかさどります。車の追突事故はかなりの衝撃がありますので、このような脳の大事な場所に気付かないうちに損傷を与えていることがあるのです。

代表的な症状としては、

  • 認知障害
    • 新しいことを覚えられないという記憶障害
    • 集中力が保てないという集中力障害
    • 何かを計画して実行にうつすことができないという遂行障害など
  • 行動障害
    • 状況や周囲にあわせた行動や社会ルールを守れない
  • 感情障害
    • 抑うつ的になったり逆に攻撃的になったりする

などがあります。これらの障害は、高齢者のアルツハイマーと同様、外見からは発症が断定できないという側面があります。もともとの性格や加齢などによる脳の退化と区別しづらく、また脳は外見上は目に見えない箇所です

そのため、交通事故との因果関係を証明するのもなかなか難しいことに特徴があります。また、外形には現れず、日常の少しずつの変化から推察せざるをえないので、高次脳機能障害であることに気がつくにも非常に時間がかかるという特長もあります。

しかしながら、本人の生活には大きな支障がでますし、一緒に暮らす家族の負担も大きなものとなるため、重篤な後遺症のひとつといえます。

高次脳機能障害の後遺障害等級認定はどうなるの?

後遺障害等級認定とは

交通事故のケガの治療をしている間は傷害慰謝料(入通院慰謝料)が通院や治療代などが加害者側から支払われます。しかし、どこかのタイミングで症状固定をすることになります。

症状固定とは、これ以上治療を続けても症状の大幅な改善も改悪もみられないという判定のことで、本人と医師が相談しておこないます。症状固定をすると治療費は打ち切りになります。

したがって、なるべく治療費の支払いを早く済ませたい相手方の保険会社から症状固定を促されることもあります。

症状固定後は傷害慰謝料を受けることができません。したがって、治療をしても残ってしまった後遺症について後遺障害等級認定を受けて、後遺障害慰謝料を支払ってもらうことになります。

後遺障害等級認定とは、自賠責事務所という第三者機関が、書面審査で後遺症の状態や交通事故との因果関係を審査し、1級から14級の等級を認定することをいいます。

番号が若いほど症状が重篤という意味になり、それぞれの等級に応じた後遺障害慰謝料が支払われます。後遺障害等級認定がなされないと後遺障害慰謝料は支払われないうえ、適切な等級より低い等級認定だとそれだけ安い後遺障害慰謝料になります

被害者としては、いかに高い後遺障害等級の認定をしてもらうかが非常に大切な問題になります。

併せて読むと役立つ記事
後遺症と後遺障害の違いとは?損害賠償への影響や正しい認定法を解説
後遺症・後遺障害
後遺症と後遺障害の違いとは?損害賠償への影響や正しい認定法を解説

交通事故にあった後、後遺症に悩まされることがあります。交通事故においては、「後遺症」が「後遺障害」となるかどうか…

高次脳機能障害で後遺障害等級認定を受けるために

申請資料が重要

後遺障害等級認定は書面主義といって提出された資料だけをもとに自賠責事務所が認定を行います。つまり、申請者である被害者に、

  • 高次脳機能障害が存在すること
  • それが交通事故によってひきおこされたという因果関係があること

を、書類上で証明できるかが重要なポイントになります。

高次脳機能障害についての後遺障害認定申請の留意点

上述のように高次脳機能障害は外形上あらわれにくいものです。骨折や肉体の損傷などのように画像所見(レントゲンやMRI)にあらわれる後遺症であれば、画像所見を添付して申請することができます。

ですが、脳障害の場合はなかなかこういったものにはあらわれません

したがって、主治医の後遺障害診断書に記載してもらう自覚症状などに一貫性をもって記述してもらうことや、各種検査を受けてそれらをきちんと記載していくことが認定を得るために必要になります。

脳外科のなかでも熟練した主治医をえらぶことや、後遺障害診断書などの記載に慣れている病院を選ぶことが大切です。医師は治療のプロですが、後遺障害等級申請については知らないことも多いです。

そのため、被害者みずからが申請のポイントを理解し、主治医に上手に記載したいポイントを伝えて依頼していく姿勢が必要です。また、後遺障害等級申請の際は被害者請求でおこなうことが大切です

被害者請求は被害者が自分で後遺障害の申請書類を準備し自賠責事務所に認定請求をする方法です。被害者請求は手間はかかりますが、被害者が有利になるための書類を自分で準備できます。

そのため、被害者請求は適正な後遺障害等級が認定されやすいといえます。

また、後遺障害認定を受けるためには、本人がまず症状を自覚することに加え、周囲の人に協力してもらい、客観的な症状や生活の様子を記録してもらいましょう

本人は脳の障害があるため自覚がなくても、接している人には明確に症状に気付いている場合があります。そのため、そういった記録が申請書類作成に有用なのです。

また、周囲の方が被害者の方の日常生活の様子に注意を向けることは、後遺障害等級の認定のためだけではありません。被害者の症状の改善や急激な症状の進行のくいとめ、リハビリのサポートなどにつながることが期待できます。

併せて読むと役立つ記事
後遺障害の等級認定は被害者請求ですべき!保険会社任せでは損する理由
後遺症・後遺障害
後遺障害の等級認定は被害者請求ですべき!保険会社任せでは損する理由

交通事故でけがをして、寝たきりになってしまったり、身体の一部を損傷してしまったりした場合には、後遺障害が認められる場合が…

交通事故の後遺障害に強い弁護士に依頼することが大切

交通事故の後遺障害に強い弁護士に依頼することが大切

上述のように高次脳機能障害の場合の後遺障害認定は非常に難しいのです。もしあてはまる項目があれば、すぐに交通事故の後遺障害慰謝料に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。

後遺障害等級認定のなかでも高次脳機能障害は認定が難しい部類にはいります。弁護士のアドバイスをもらって、後遺障害等級認定申請から加害者の保険会社との示談交渉まで一貫してお願いすることをおすすめします

なお、後遺障害等級の申請のほかにも弁護士に依頼すると下記のようなメリットがあります。

  • 精神的・時間的な負担が減る
  • 損害賠償金額が増額する など

示談交渉で保険会社から提示される損害賠償金額は適正な金額より低額なことがほとんどです。後遺障害認定や示談交渉などの損害賠償請求を弁護士に依頼すると被害者に有利になります。

また損害賠償請求にともなう被害者の負担も軽減します。

まとめ

いかがでしたでしょうか。高次脳機能障害は画像診断などにうつらないため、昔は被害者は泣き寝入りで後遺障害慰謝料をとれなかったことも多かったようです。

しかしながら、このような重篤な後遺障害を甘受する必要はありません。2000年ごろから、画像診断がなくても高次脳機能障害の後遺障害等級認定を認めた判例は多くではじめています。

諦めず最善の手をつくすことで納得のいく慰謝料を受けとれる可能性があります。

都道府県から弁護士を探す

交通事故の後遺症・後遺障害のよく読まれているコラム

新着の交通事故コラム

交通事故問題で悩んでいる方は、まず弁護士に相談!

交通事故の損害賠償額は弁護士に相談すると増額の可能性も!

保険会社の損害賠償提示額では損をしている可能性があります。弁護士に相談して正当な金額を受け取りましょう!

交通事故被害者の悩みを弁護士が解決します!

交通事故に遭った方が抱える様々な悩みを弁護士に相談して多くの人がメリットを得ています!

TOPへ