交通事故の慰謝料請求における裁判で知っておくべきこと

裁判・調停
交通事故の慰謝料請求における裁判で知っておくべきこと

交通事故に遭うと示談交渉をおこない、慰謝料などを含む損害賠償金を加害者側に請求します。


しかし話し合いがこじれてしまった場合は、訴訟を起こして裁判になることもあります。このようなとき、被害者はどんなことに注意しなければならないのかについて説明します。

目次
  1. 慰謝料が発生する要因とは
  2. 慰謝料はいくら主張してもいい
  3. 誰が慰謝料を決めるのか
    1. 裁判では裁判官が慰謝料を決める
    2. 被害者の請求より高い慰謝料にはならない
  4. 慰謝料を請求できる人とは
  5. 慰謝料を請求できない場合はあるか
  6. 慰謝料請求権は消滅する
  7. 慰謝料はお金のある人からしか取れない
  8. まとめ

慰謝料が発生する要因とは

慰謝料は、痛い思い・怖い思いなど「嫌な思い」をしたことへの賠償金です。交通事故に限っても、その発生原因は沢山あります。


例えば、怪我をした、入院することになった、後遺症が残ったなどです。さて、慰謝料が請求できるというのは、もはや一般的なことかもしれません。


では、慰謝料を請求することは法律で認められているのでしょうか。答えは、認められています。


「民法」という法律の第709条に、「人に損害を与えた場合はその賠償をしなさい」ということが規定されています。


そして第710条には、「精神的な損害も賠償しなさい」と規定されています。この「精神的な損害」が慰謝料のことなので、慰謝料を請求する権利は法律で認められた正当な権利です。


なお、交通事故の場合には自動車損害賠償保障法(自賠法)という法律によって、請求しやすくなっています。

 

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慰謝料はいくら主張してもいい

慰謝料には、金額を決めるための基準がありません。何故かというと、人が受けた精神的な苦痛を、正確にお金として見積もることが出来ないからです。


つまり、慰謝料を請求する金額に制限はありません。あなたが10万円だと思えば10万円、100万円だと思えば100万円請求することが出来ます。


但し、請求出来るのと認められるかは別の話ですので、間違えないようにしましょう。

 

誰が慰謝料を決めるのか

上で、慰謝料を請求出来るのと認められるのは別という話をしました。これは一体どういうことなのか理解するために、慰謝料の金額は誰が決定するのかを知りましょう。

 

3-1.裁判では裁判官が慰謝料を決める

まず、請求する金額を決めるのは交通事故の被害者です。これは、上で述べた通りです。そして、裁判になっているということは恐らく相手がその金額に納得していないはずです。


そこで、最終的な慰謝料の金額を決める人は、裁判官です。裁判官が、事故の当事者双方の言い分を聴き、妥当と思う金額を決定し、支払うように相手に命令します。

 

3-2.被害者の請求より高い金額にはならない

裁判官が金額を決める際、被害者が請求している金額より多く算定することはありません。つまり、被害者の請求する金額が最高金額となります。


逆に、請求する金額より低くなることはあります。しかし、慰謝料の額が0円になることはありません(事故と全く関係ない請求をした場合はあり得ます)。

 

慰謝料を請求できる人とは

慰謝料は、もちろん被害者が請求することが出来ます。では、被害者の人がその事故で亡くなってしまった場合どうなるのでしょうか。


その場合、慰謝料を請求する権利(慰謝料請求権)は、相続によって遺族に引き継がれるというのが判例の意見です。


判例とは、最高裁判所が過去に出した判決のことで、裁判では判例と矛盾する結論を出すことが出来ません。


したがって、被害者本人が亡くなった場合遺族が代わって慰謝料を請求することが出来ます。


そして、被害者が亡くなってしまった場合、遺族は自分たちの分の慰謝料も請求することが出来ます。


先ほどと同じく民法という法律の第711条では、死亡した被害者の両親・妻又は夫・子について、固有の慰謝料請求権を認めています。


慰謝料は、嫌な思いをしたことへの賠償と説明しているので、家族が死んで慰謝料を貰うのは当然と思うかもしれません。


しかし、法律の世界では慰謝料を請求出来るのは、あくまで直接被害を受けた本人だけというのが原則ですので、この規定は例外的な規定と言えます。


なお、法律には兄弟などが含まれると書かれていませんが、兄弟などについても慰謝料請求権が判例で認められています。

 

慰謝料を請求できない場合はあるか

交通事故の被害に遭ったのに慰謝料が請求できないケースというのは、基本的にありません。但し、事故からかけ離れた事への慰謝料は認められません。


これは、慰謝料に限ったことではなく、治療費や休業損害(事故の怪我で仕事が出来なかった分の給料の賠償)なども事故と関係あるものに限られます。


では、事故と関係あるのかはどうやって決めるのでしょうか。答えは、原則として被害者側が裁判の場で証明しなければなりません。


民法第709条や710条を使って慰謝料請求をする場合、どれだけの損害が出たのかを証拠を提出することによって証明する必要があります。


しかし、同じく上で述べた自動車損害賠償保障法という法律のおかげで、少し証明しやすくなっています。


それでも証明出来なかった場合、裁判では損害はなかったものとして扱われるので、慰謝料は請求出来ないことになります。

 

慰謝料請求権は消滅する

慰謝料を請求する場合、時間には十分気を付けましょう。何故なら、慰謝料請求権は事故のあった日から3年間で時効というものによって消滅してしまうからです。


時効とは、ある一定期間が経過することで、権利や義務が消滅し、責任がなくなる制度のことです。


つまり、裁判を起こすつもりなら、3年以内に行動しなければならないということです。


もちろん、時効による消滅を防ぐ手段もあります。


例えば、加害者に「慰謝料を払う意思がある」ことを一筆書いて貰えば、3年のタイムリミットはリセットされ、時効になるまでの期間が延びます。


しかし、あまり長引かせても良い事はないので、行動を起こすと決めたのなら、早めに行動した方が良いです。

 

慰謝料はお金のある人からしか取れない

慰謝料請求の裁判を起こす場合、加害者にお金がないと分かっているなら、無理に加害者本人を訴える必要はありません。加害者本人以外にも、責任を負う人がいる場合もあります。


例えば、加害者の乗っていた車の所有者は、所有者であるというだけで責任を負います。


この所有者もお金を持っているとは限りませんが、相手が増えればそれだけ賠償のための財産も増えますし、所有者が会社などであれば、お金を持っている可能性もぐんと上がります。


このように、訴える相手を誰にするかも重要になってきます。


また、相手の財産にどんなものがあるか、誰を訴えることが出来るかなどの調査は、やはりプロである弁護士などに頼んだ方が良いでしょう。


というのも、相手が慰謝料の支払いに協力的でない場合、財産を隠したりして逃げられる可能性があるからです。


民事事件の裁判は、自分で行うことも出来ますが、自分で行なって失敗しては元も子もありません。


プロである弁護士であれば、そういった逃げ道を塞いで、より確実に事件を解決してくれると思います。

 

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まとめ

慰謝料請求を裁判で行うのであれば、以上のようなことに気を付けなければなりません。


裁判で戦うということは、法律というルールに従って相手に何かを請求するのであり、法律上の根拠がない主張は認めてくれません。


しかし、どうしても裁判という世界に足を踏み入れなければならなくなった時は、弁護士を頼るのが一番安全な道でしょう。

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