交通事故の裁判に必要な費用って?

裁判・調停
交通事故の裁判に必要な費用って?

交通事故が発生したときまずは示談交渉をおこないますが、示談がまとまらなかった場合、裁判をおこなうことになります。ここでは、裁判にどのような費用がかかるのか、さらにその費用を抑える方法についてご説明いたします。

目次
  1. 交通事故の裁判は最終手段
  2. 裁判にかかる費用って?
  3. 裁判を検討したほうがいい場合って?
  4. 弁護士費用を抑えたいなら
  5. まとめ

交通事故の裁判は最終手段

交通事故が起こったとき、問題解決のために最初におこなうのが示談です。交通事故の損害賠償についてはほぼ9割近くが示談で解決しています。しかし、残りの1割は示談がまとまらず裁判所に申し立てをして調停をおこないます。その後、調停でもまとまらない場合は裁判に持ち込むことになります。

示談に応じるか裁判に持ち込むかの判断は、示談交渉で加害者側が提示してきた示談金額(損害賠償金額)に納得できるかどうか、裁判をおこなった場合に賠償金の増額がどれくらい期待できるのか、裁判にはどのくらいの費用と時間的・精神的負担がかかるのかを総合的に考慮して決める必要があります。

裁判で勝訴すれば、示談で獲得できる損害賠償金よりも多くの金額を獲得できる可能性があります。しかし、敗訴した場合は損害賠償金額が減額されたり、受け取れないという可能性もありますので、裁判を起こすかどうかは慎重に判断する必要があります。

裁判にかかる費用って?

裁判に必要な費用は、訴訟費用と弁護士費用の2つです。訴訟費用とは、訴状送付に必要な郵便料金や手数料となる印紙代などです。弁護士費用については、相談無料の事務所もありますので、そういったところを利用して弁護士に直接確認しましょう。

なお、現在の日本の法制度では「敗訴者負担制度」が存在しません。したがって、依頼した弁護士の費用負担は原則として全て自己負担となります。

裁判を検討したほうがいい場合って?

示談に応じるか裁判に持ち込むかの判断はさまざまな要素を考慮して慎重に判断する必要があります。例えば下記のような場合は、示談交渉では解決が難しいため、裁判を起こすことを検討してみるのもよいでしょう。

・重度の後遺障害が残った場合

・両者の主張が大きく異なり、噛み合いそうにない場合

任意保険会社には内規がありますので、示談の段階では内規を超える賠償金額の提示は難しいと思われます。もし重度の後遺障害が残り、弁護士と相談した結果、損害賠償金額が億単位になりそうということになれば、示談ではなく裁判に持ち込むほうがよいでしょう。また事故当事者間で、それぞれの主張が大きく異なり、いつまで経っても噛み合わない場合も示談交渉での解決は難しくなります。

以上のような場合を除いては、裁判にかかる費用や負担と被害者が最終的に獲得できる金額を考慮して、裁判をおこなうほうがよいのかどうか慎重に判断しましょう。

弁護士費用を抑えたいなら

日本の民事裁判は、弁護士を立てずに本人訴訟をおこなうことができます。本人訴訟をすれば、弁護士費用が発生しないため、裁判にかかる費用を節約することができます。しかし、裁判を起こす根本的な目的を考えるとこれが本当に節約になるのかどうかを慎重に考える必要があります。

裁判を起こす目的は「勝訴するため」です。素人である被害者が本人訴訟をおこなって敗訴してしまえば、慰謝料が支払われなくなってしまい、示談交渉で解決する場合より、かえって損失が大きくなってしまいます。

もし弁護士に依頼したいがお金がない、というような場合には「法テラス(日本司法支援センター)」を利用するのもひとつの手段です。法テラスは弁護士費用が低額に設定されており、さらに弁護士費用の立て替えもおこなっています。

また、被害者が弁護士費用特約の付いた自動車保険に加入している場合は、弁護士費用特約を利用することで、上限まで弁護士費用を保険会社に負担してもらうこともできます。

まとめ

交通事故を起こした場合、示談に応じるのか裁判に持ち込むのかは、最終的に獲得できる損害賠償金額と、裁判を起こすことによって生じるさまざまな負担や費用とを総合的に考慮し、慎重に決める必要があります。

日本の民事裁判は本人訴訟をおこなうことができますので、弁護士費用を節約することが可能ですが、裁判を起こす本来の目的を考えると、果たしてそれが目的達成に繋がるのかどうかを慎重に考える必要があります。下手に本人訴訟をおこなったことで敗訴してしまえば、かえって損失が大きくなる可能性もあります。

もし、弁護士に依頼したいけれど費用が足りないというような場合は、法テラス(日本司法支援センター)や弁護士費用特約などを利用することも検討されてみてはいかがでしょうか。

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